OCA TOKYO BLOOMING TALKS 001

出会いの魔法

Released on 2021.06.14

OCA TOKYO 限定WEBメディア

BLOOMING TALKS

自然体でテーマと向き合い、出会いに感謝し、相手を思いやりながら、
会話が咲く。笑顔が咲く。発見が花開く。

そんなコンセプトでお届けするOCA TOKYO限定のWEBメディア。
「BLOOMING TALKS」

新鮮な出会いと、魅力ある人たちの言葉を通じて人生を謳歌するヒントを発信していきます。

新しいこの場所で、きょうも、はなしを咲かせましょう。

OCA TOKYO対談テーマは「出会いの魔法」。まさにここで出会ったOCA TOKYOメンバーの村上由美子さんと伊達公子さんは、知り合って間もないとは思えないほどフレンドリーな様子で、最初からテンポのいい会話のラリーが続いていきました。

偶然って、いつも必然ですよね。

実際にお会いしたのは、OCA TOKYOのキックオフイベントですが、伊達さんのことは、1990年代半ばぐらいから一方的に親しみを感じて応援していました。私が仕事でロンドンに住んでいた当時、まだ日本人はもとよりアジア人が少なかったじゃないですか。そんなときに、伊達さんがウィンブルドンで大活躍されてロンドン中で話題になっていました。同じ日本人として、とても誇らしかったことを憶えています。

ありがたいことです。たしかに90年代は、海外で活動するアジア人自体が少なかったですよね。私もロンドンの街中で日本人を偶然見かけたときは、それだけで嬉しかったです。「ここにも同士がいる」と思って励みにもしていましたから。

それがいつの頃からか、道行く人から「君は伊達公子の家族か? シスターなのか?」と聞かれるようになるのです。最初は「そんなことありません」と答えていたのですが、あまりにも頻繁に聞かれるので、だんだん「そうです、彼女は私のシスターです」と答えるようになっていました。

もう、シスターにしちゃったわけですね(笑)。

そんな経緯もあったので、今こうしてOCA TOKYOで“幻のシスター”に会えたこと、改めてとても光栄に思っています。

私こそ、お会いできてすごく嬉しいです。思い返せば、人生の節目には何かしらの出会いや人とのご縁がありました。私にとってそれらは決して偶然ではなく、すべて必然だと思っています。起こったからには何かしら意味があり、そこから歴史が始まる。ここ、OCA TOKYOから始まる歴史も楽しみにしています。

偶然は、必然。すごくわかります。海外生活が長いと、自分とは価値観の違う人はもちろん予想もしなかった生い立ちやバックグラウンドの人と出会うことがあります。そこで気づきを得たり学んだりすることで、今の自分がここにいるわけです。OCA TOKYOでの出会いも含めて、私にとっての出会いの一つひとつが、“偶然だけど必然だった”と思いますね。

メンタルの鍛え方。

村上さんもきっと、常にプレッシャーと向き合ってお仕事をされてきていますよね?

たしかにその時々でプレッシャーはあります。ただ、私が外資系金融にいた90年代半ばと比べると、今は金融の知識よりもデータに関する最先端の知見が勝負の決め手になっていたりもするので、プレッシャーの質が変わってきたという感覚がありますね。でもね、伊達さん。どう考えても世界のトップアスリートのプレッシャーとは比べ物にはなりませんよ。

でも私、勝ち負けに関してはそんなにプレッシャーを感じることはなかったです。採点競技とは違って、テニスは「戦って、勝つか。負けるか」しかないので割り切っていましたから。その代わり、ランキングには追われていましたね。毎週発表されるテニスの世界ランキングはプレッシャーでした。でもそれも「トップ10にランクインするぞ」というモチベーションにしていましたね。

たしかに、プレッシャーをモチベーションに変えることで人は頑張れますからね。

実際にトップ10になったときは「やった!」と喜びました。でも、それが最後です。その日を境に、ランキング表は一切見なくなりました。

スポーツの世界ですから当然、肉体的に追い込むと思うのですが、それと同じくらい精神的なプレッシャーにも耐えなくてはいけないと思います。伊達さんのその強靭なメンタルは、どうやって鍛えられたのですか?

テニスは1ポイントで試合の流れがガラリと変わるスポーツなので、そこに左右されないメンタルを持つことがとても重要です。私の場合、本番で勝負することで鍛えられていきました。「試合こそ最大の練習」という捉え方ですね。

本番で鍛えるって、やっぱりアスリートですね。例えば、座禅とかをトレーニングに取り入れたりはしませんでしたか?

しなかったですね。でも、今の選手の中には瞑想を取り入れている人もいます。それもメンタルを鍛える手段の一つだとは思いますが、最終的にはコートで乗り越えないと真の意味で強くなりません。勝負の中でいかに自分をコントロールできるか。そこで一番鍛えられたような気がします。

ビジネスの世界でもメンタルを鍛えることに関心が集まっています。最近、アメリカの経営者の間では「アート」、「料理」、「瞑想」といった一見ビジネスと関係ない分野をテーマにした研修メニューのニーズが高まっています。普段の自分とは縁遠い世界に踏み込むことで、新しい思考回路を広げて柔軟なメンタルを身に着けることが目的のようです。

オフに会いたい人。

伊達さんは、何かお決まりのオフの過ごし方ってありますか?

私の場合、仲間と一緒に美味しいものを食べることが多いですね。

私も同じです。美味しい食事と仲間ですね。

この間、呼んでいただいたホームパーティーのような感じですか?

あのときのパーティーのようにオフを過ごすこともありますし、外で会食することもあります。あとは、子どもたちの相手をする時間もいいオフになっていますね。

最初のお子さんが生まれたのは、いつ頃ですか?

ニューヨークに転勤になった後なので、2000年の頭くらいですね。

すごくハードに動き回っていた頃に出産されたんですね。

そうですね、子どもの顔を見る暇がないくらい大変なときでした。今はもう高校生なので進路とか恋愛の相談をしたりしています。大変だなと思うときもありますが、仕事とのバランスをとるという意味では、メリハリができてすごく助かっています。伊達さんは、オフに過ごす場所にこだわりなどはありますか?

場所は特に問わないですね。大事なのは場所じゃなくて、友人と過ごす時間なので。

やっぱり誰と過ごすかって大事ですよね。OCA TOKYOはもちろん場所としても素敵ですが、ここで出会う人が魅力的ですよね。ちなみに、やっぱりアスリート系のご友人が多いのですか?

いえ、実はほとんどいないです。いちばん親しい友人なんて、未だにテニスのルールをよく知らないですから(笑)。

えっ!? それは意外です。でも、メリハリをつけるという意味ではそれくらいの距離感がちょうどいいのかもしれませんね。

おっしゃる通りです。私が試合に勝とうが負けようが、彼女たちにとってはどうでもいいことで。実際、まったく話題に上がらないですね。でもそんな対応に救われてきました。もちろん応援もしてくれるしサポートもしてくれますよ。ウィンブルドンの試合にも来てくれましたからね。ただ、接戦になったときのテニスの変則的なルールまでは詳しく知らない人だから、試合が終わって「惜しかったね」と声をかけてくれるのですが、「本当はよくわかってなかったでしょ?」と聞き返すと、「うん」って(笑)。

想像つきます。でも、そのフラットな関係でいられるからこそ救われますよね。

そういった意味でも、多様な人に会えるOCA TOKYOはすごく魅力的なんです。

これから、OCA TOKYOで。

私は週2回、丸の内のジムに通っているのですが、そのジムがOCA TOKYOに入る予定です。ここだと美味しいものも食べられるし、素敵な人たちとも出会える。きっと頻繁に顔を出すと思います。「もしかして住んでいるんじゃないの?」って言われたりして(笑)。

私は、ここにあるキッチンが完備してあるお部屋でクッキングスクールをしてみたいですね。面白いと思いません? メンバーの中にはお料理が趣味だったり専門だったりする方もいらっしゃるので、そういう方に先生になっていただいて、みんなで作ってみんなで食べて。お酒を飲んで楽しくなってきたら歌を歌うのもいいですね。

いいですね! 私も参加したいです。

いいですよね! それにしてもOCA TOKYOのメンバーは本当にバラエティ豊かな方が集まっていますよね。バックボーンが全然違う人が出会うことで、面白いことや新しいものが生まれてくるといいですね。
そのためには、ただ待っているだけじゃダメだと思います。私と伊達さんが仲良くなれたのは、きっとお互いの心の中に、こういう出会いを受け入れるマインドがあったからだと思います。

そうですね。私もチャンスを引き込めるかどうかというのは、普段の行動で決まると思っています。現役の頃も、試合の流れが不思議と相手にいってしまうことがあると、日頃の努力が足りないからだと思っていましたから。これからも、運命の一瞬を逃がさないためにも、日々の積み重ねを大切にしていきたいです。

運が良い人って、運をつかむために日々自分を磨いているものです。運なんて、どこに転がっているかわかりませんから。私も運をピックアップできるような人間でいたいと思います。

きっとOCA TOKYOも、そんなチャンスをピックアップできる場所になっていきそうですね。

Wタマゴサンドとサラダ
※OCA TOKYO5階 Ocafe にて販売

左:Wタマゴサンド/ベリーとナッツの赤いフルーツサラダ
右:Wタマゴサンド/季節の30品目サラダ

伊達 公子

テニスプレーヤー

1994年、日本人選手として初めてWTA世界ランキングトップ10入りを果たし、翌年には4位に。一度は引退するも2008年に復帰。数々の最年長記録を作り、2017年二度目の引退。現在は、ジュニアの育成や店舗・施設プロデュースなど、精力的に活動中。2002年よりJICAオフィシャルサポーターを継続。

村上 由美子

Founding General Partner MPower Partners

ロンドン・ニューヨーク等で投資銀行業務に従事した後、2013年にOECD東京センター所長就任を経て現職。ハーバードビジネススクールの日本アドバイザリーボードメンバーを務めるほか、外務省・内閣府・経済産業省はじめとする政府の委員会で委員を歴任している。著書に『武器としての人口減社会』がある。

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