SELECTED EVENTS 003

鮮烈な感性に出会う。

Released on 2021.11.26

若手アーティストの発掘や育成を目的とした現代美術の展覧会「アートアワードトーキョー丸の内」に、今年からOCA TOKYOが新たに【Proactive賞】を設立。その記念イベントとして10月27日に、受賞作品を展示したスペースにてトークショーを開催しました。今回は、初の受賞者であるアーティストの松岡柚歩さんをお招きし、作品づくりへの思いや今後についてお聞きしました。

現代アーティスト松岡 柚歩

1996年 兵庫県生まれ。2021年、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)大学院修士課程芸術研究科美術工芸領域油画専攻を修了。2021年、銀座蔦屋書店にて「DAWN-EXPOSITION 2021.04-」、「FUGA Dining Collaboration Exhibition」(FUGA Dining restaurant & bar・東京)、ラフォーレ原宿にて「BE AT STUDIO HARAJUKU」、京都祇園のygionにて「exhibition from shu」(他多数)など精力的に作品を展示。一流のギャラリストから注目される若手現代アーティストである。おもな受賞歴は「シェル美術賞2020」学生特別賞、「2018年度京都造形芸術大学卒業作品展」優秀賞など。

色や質感の重なりが生み出す、新しい発色を追求したい。

── このたびはProactive賞の受賞おめでとうございます。今回展示された作品について、どのような方法で描かれたのですか? ありがとうございます。今回の作品は、1600ミリ四方の大きなパネルの上に、アクリル絵の具、顔料、メディウムなどを重ねてつくりました。パネルを平置きにして色を乗せ、素材を重ねてつくるので、絵を描くというよりも立体物をつくっている感覚に近いです。型に絵の具を流し込んだり手で顔料を刷り込んだり、絵の具の発色や質感の可能性を探りながら制作していきます。対照的な色や異なる素材が、パネルの上で支え合って生まれる新しい発色の面白さを追求しているようなイメージです。

── ところで松岡さんは、小さい頃どのような子どもでしたか? 絵を描くことは小さい頃から大好きでした。それと同じくらいパズルやブロックを組み立てる遊びと、あとは何かを分解して遊ぶことも好きな子どもでした。例えば、ボールペンを分解して元に戻す。でも中のバネがなくなったら機能しなくなる。それは、見た目はボールペンに見えてもボールペンではない。そうやって理屈っぽく構造的に捉える思考は、今の制作スタイルにも通じている気がしますね。

── アートを楽しむという観点で、OCA TOKYOという場所はどのような魅力があると感じますか? OCA TOKYOは、美術館やギャラリーとは異なるアート体験ができる場所だと思います。まずは、椿昇さんや名和晃平さんのような大御所と呼ばれる方の作品と同じ空間に、若手アーティストの作品が展示されていること。普段はひとつの場所に集まらない作品群だと思いますし、若手作家のモチベーションにもつながると感じます。また、心地よいリビングのようなプライベート空間に飾られているのも魅力的です。「作品を鑑賞する」という意識より、もっと身近にアートの刺激を感じられそうだなと思いました。

── 松岡さんは、どのような人が人生を謳歌していると思いますか? まだまだ人生経験が足りない身ではありますが、ひとつのこと対して一生懸命になれる人、無心で手を動かして好きなことに没頭できる人は、自分の人生を謳歌していると思います。例えば、よく行くパン屋さんや実家の近くにあるケーキ屋さんに行ったときも、目を奪われるのはパンやケーキを作っている職人さんたちの姿です。生地をこねていたり、型に流し込んでクリームを乗せたりする、その過程を見るのが楽しいのは、そこに謳歌の本質があるからかもしれません。

── 現代アーティストとしての今後の目標があれば教えてください。 アーティストとしては、引き続き京都を拠点にして活動していきたいです。今回展示した作品より大きなサイズにもチャレンジできるアトリエの環境が整えられたら嬉しいですね。あとは、普段ギャラリーで働かせていただいていることもあって、アーティスト支援にも興味があります。ゆくゆくはオープンアトリエやイベントの企画、展覧会の開催などにも挑戦していきたいです。作家の視点を持ちながら、業界の縦や横のつながりを活かした場づくりで、関西を中心に様々なアーティストとともにアートシーンを盛り上げていけたらと思っています。

トークショーの様子。

アーティスト本人と対話できるのも、現代アートの醍醐味。

側面の絵の具の垂れ方で、平置きして制作していることがわかる。

受賞作品。様々な素材を重ねるため、総重量は30㎏以上になる。

同じテーマで制作された410ミリ四方の作品。

OCA TOKYOでは「鮮烈に人生を謳歌する」をコンセプトに、皆さまの感性を揺さぶるイベントを開催しております。詳細はトップページをご覧ください。

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