OCA TOKYO BLOOMING TALKS 032

社会をもっとカラフルに

Released on 2022.04.15

OCA TOKYO BLOOMING TALKS

BLOOMING TALKS

自然体でテーマと向き合い、出会いに感謝し、相手を思いやりながら、
会話が咲く。笑顔が咲く。発見が花開く。

そんなコンセプトでお届けするOCA TOKYO限定のWEBメディア。
「BLOOMING TALKS」

新鮮な出会いと、魅力ある人たちの言葉を通じて、人生を謳歌するヒントを発信していきます。

新しいこの場所で、きょうも、はなしを咲かせましょう。

経団連でご活躍するOCA TOKYOメンバーの大山みこさん(以下:みこさん)は、2020年にCATCHY(キャッチー)というパーソナル・ブランディング事業をスタート。豊富な海外経験で得た国際感覚と創造的な感性を活かし新たなチャレンジをするみこさんに、ご自身の事業に込めた思いやOCA TOKYOに対する期待などをお聞きしました。

超一流のコミュニケーションに学ぶ。

── みこさんが経団連での20年のキャリアで培った、学びや気づきを教えてください。 経団連では、国内外で活躍する政財界の方々とお会いする機会が多いのですが、共通することとして、常にポジティブで誰よりも気がつき発想がユニークであること。とにかく根が明るく好奇心旺盛な方が多かった印象があります。皆さん常にアンテナを高く張っておられるので、政治経済のみならず歴史やアートといった文化的なことまで幅広い教養と知識をお持ちでした。そんな方々とご一緒して深いお話を聞いていると、それだけでも自然とパワーをいただけますし、見習いたいと思うことばかりでした。なかでもアメリカにいた頃は、クラスコンシャスを感じさせないホスピタリティあふれる各界リーダーの方々から、たくさんのことを学ばせていただきました。

── 日本では、まだまだ立場や肩書を意識したコミュニケーションが多いと感じます。 そうですね。以前からアメリカでは大企業の経営者でも名刺にメールアドレスが書かれていて、そのアドレスにメールを送れば直接コンタクトできます。しかも多くの経営者がメールをスルーせず、短い文章でも必ず返事をくださるケースがほとんど。立場や所属以前に、個と個の関係でコミュニケーションをする習慣があるように思います。私自身、アメリカで大学院生だった頃、トップエグゼクティブの方々が、学生である私に対して正面から向き合ってくれたことは、今でも鮮明に覚えています。

── グローバルな場面では、欧米的な振る舞いに合わせることで印象も変わりそうですね。 おっしゃる通りです。実を言うと私も、自分の振る舞いについてハッとさせられた経験があるんです。それは、アメリカのシンクタンクで働いていたときのこと。会議に向かうためバタバタと駆け足でエレベーターホールへ向かっていた私を上司が呼び止めてこう言ったんです。「そんな姿を見せたら仕事ができない人間だと思われる。それに、そもそもエレガントじゃない」と。このとき、自分の立ち居振る舞いで相手に与える印象が変わることを痛感。特にビジネスシーンにおいて、自分の印象を大切にすることは重要だと気づかされたのです。

本質は、内面を磨くことにある。

── 2020年に立ち上げた、国際イメージコンサルティング・オフィスCATCHYの事業について教えてください。 そもそもイメージコンサルタントの仕事は、単に似合う洋服やメイクなどをアドバイスするのではなく、その人の魅力を最大限に引き出しながら、お客様の「理想の印象」を可視化することで、課題解決や目標達成のお手伝いをする仕事です。CATCHYのイメージコンサルティングは“国際”と謳っているように、特にグローバルに活躍する方のブランディングを得意としています。基本的には、色彩心理学や行動心理学に基づくメソッドをベースに、お客様がどういう自分になりたいか、TPOに応じて見せたいかをカウンセリング。その上で、パーソナルカラー診断や骨格診断、マナーや立ち居振る舞い、コミュニケーションを含めたパーソナル・ブランディングを提供しています。最近では、オンラインでの見せ方や記者会見・IRミーティングのサポート、また自分らしさが伝わるプロフィール写真を撮りたい、というご依頼も多く、洋服のスタイリングから撮影場所など「なりたい自分」を詰め込んだ一枚を撮影するサポートもしています。

── どのような思いからこの事業をスタートさせたのでしょうか? これまで世界各国のエグゼクティブの方とお会いしてきた経験や、Diversity&Inclusion施策の推進に関わる中で、これからの時代はグローバルにも通用する「個性」が必要だと強く感じるようになっていきました。日本を代表する政財界のリーダーが、唯一無二の印象を残せる存在になれたら。グローバルで活躍される方々の本来の魅力を引き出し、交渉の武器とすることで、お客様のビジネスに貢献できたら。経団連という、ファッション業界とは真逆のような環境で生まれた、使命感とも言える思いでこの事業をスタートさせました。

── CATCHYで、みこさんが大切にしている価値観があれば教えてください。 CATCHYは「カラフルに、 生きる。最強のワタシ」というキャッチフレーズを掲げています。何を身に着け、どう考え、どう話すかといった人の印象に関わる要素を磨くことで、自分らしくカラフルに生きる人を増やし、社会をカラフルに変えていきたい。そんなビジョンを持って事業を行なっています。あと常々お客様にお伝えしているのは「見た目は、内面のいちばん外側」だということ。イメージコンサルタントは、外見の印象をコーディネートする仕事のように思われがちですが、実は内面を磨くことに、その本質があると思っています。特にコミュニケーションや立ち居振る舞いについては、トレーニングするほどスキルアップされていくものです。人から見られているという意識を持つことも内面の変化と言えますよね。そうやって意識を変えるきっかけを、この事業を通じて提供していきたいと思っています。

同調圧力に負けないで。

── 「カラフルに生きる」というのは、経営者に限らず多くの人にとっても大切なテーマのように感じます。 おっしゃる通りです。しかし、まだ日本はなかなかカラフルに生きづらい社会とも言えますよね。例えば、メイクや服装、髪形も自由だった学生が、いざ就職活動になると、髪を黒くして皆同じリクルートスーツを纏い、定型文のような言葉でコミュニケーションをする。もちろん最低限のビジネスマナーは必要ですが、個人的には過剰に個性を抑え過ぎている気がしています。自分らしく振る舞うことよりも、無難に目立たないことを良しとする。そういった同調圧力を気にすることなく、もっと自由に個々人のカラーが発揮できる社会をつくっていきたいです。

── 日本人がそもそも、「個性」を表現することが苦手というイメージもあるのですが。 私は、そうとは限らないとも思っています。例えば、“粋な計らい”という言葉があるように、日本人は昔からさり気なく相手を思いやることを美徳としていますし、お着物にしても、実に豊かな色彩とダイナミックな柄を組み合わせて装いを楽しむ感性を持っています。さらに国自体も「おもてなしの国」という印象を持たれていますよね。実は本来の日本人には、ポジティブな印象を届けることができるポテンシャルがある。そう私は思っています。

── どのようなことを意識すると、個性を上手く表現できるでしょうか。 そうですね。相手に対する印象を考える場合、わかりやすいのは「色」を効果的に使うことだと思います。パーソナルカラー診断で、自分に似合う色を知ることも1つのきっかけになると思いますし、どう見られたいかによっても選ぶ色で相手の印象は変わります。例えば、自分をエネルギッシュに見せたいときは赤、誠実さや清潔感のある印象にしたいときはネイビーなど、色彩心理を意識して色をワンポイント取り入れるだけでも効果的です。色には人に与える心象を大きく左右する力がありますから、上手に色を使うことで、きっとご自身の個性が魅力となって相手に伝わると思います。

ロールモデルは、起業家だった祖母。

── 大きな組織から一人で事業を立ち上げるにあたって考えたことがあれば教えてください。 改めて思うのは、今の私があるのは、祖母の影響が大きいということ。祖母は、今でいう起業家で、経営者としてはもちろん、料亭の女将としてお座敷の切り盛りもしていました。初孫の私をとても可愛がってくれて、私自身も遊び場のようにお座敷で過ごしていました。大きくなってからは料亭経営の見習いもさせてもらいましたね。世界中から訪れる要人をお迎えして、お客様同士のご縁をつなぐ。そんな祖母の働く姿に自然と憧れを抱くようにもなりました。今の私は、イメージコンサルタントという仕事で、彼女の背中を追いかけているのだと思います。そういった意味で、祖母は私のロールモデルだと言えますね。

── そんな素敵な背景があったのですね。それでは今のみこさんが大切にしている価値観も合わせて教えていただけますか? “Be always graceful.”という言葉が私のモットーです。いつもどんなときも、目線は高く、口角を上げて、笑顔で楽しく生きる。そんな価値観を大切にしています。生きていれば、大なり小なりネガティブなことは起きるものですが、そんなときこそ優美さを忘れずに。かつてメンターのような存在だった女性経営者の方がおっしゃっていた言葉ですが、どんなときも笑顔でおもてなしをしていた、祖母の姿にも重なります。

── OCA TOKYOの印象や、今後やってみたいことがあればお聞かせください。 OCA TOKYOは、館内のどこを切り取っても洗練された雰囲気で統一されていますよね。いつ訪れても気持ちが落ち着く場所です。イメージコンサルタントの仕事では、お客様とのカウンセリングなどプライベートなお話も多いので、よくこの場所を使わせていただいています。これからOCA TOKYOメンバーの皆さまともっと交流させていただきたいですし、ご要望があればパーソナル・ブランディングのお手伝いもさせていただけると嬉しく思います。

大山 みこ

CATCHY代表/国際イメージコンサルタント
経団連 ソーシャル・コミュニケーション本部兼総務本部政治担当 統括主幹

慶應義塾大学大学院、コロンビア大学大学院修了。(一社)日本経済団体連合会にて経営戦略としてDiversity&Inclusion施策を推進する等、様々なプロジェクトを手がける。経団連米国代表、CSIS研究員、ハーバード大学客員研究員など米国での経験を通じてグローバルを意識した取り組みにも注力。2020年、国際イメージコンサルティング・オフィスCATCHYを設立。www.catchy35.com/

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