OCA TOKYO BLOOMING TALKS 051

ママのパワーを解き放つ

Released on 2022.11.11

OCA TOKYO BLOOMING TALKS

BLOOMING TALKS

自然体でテーマと向き合い、出会いに感謝し、相手を思いやりながら、
会話が咲く。笑顔が咲く。発見が花開く。

そんなコンセプトでお届けするOCA TOKYO限定のWEBメディア。
「BLOOMING TALKS」

新鮮な出会いと、魅力ある人たちの言葉を通じて、人生を謳歌するヒントを発信していきます。

新しいこの場所で、きょうも、はなしを咲かせましょう。

バリバリ働くママも珍しくなくなってきた昨今、ママコミュニティ「Himemama(ひめまま)」は、そんな今の時代をつくってきた存在のひとつとも言えます。その代表理事を務め、OCA TOKYOメンバーでもある坂上愛佳さんに、ママたちが持っている可能性や社会的役割など「ママのパワー」についてたっぷりとお聞きしました。

きっかけは、ママ友7人のメーリングリスト。

── 坂上さんが代表を務めるHimemamaの活動内容を教えてください。 Himemamaとは、ママの支援活動をするママコミュニティです。ママ同士の情報共有や親子で体験できる様々なプロジェクト開催に加えて、著名な講師の話が聞けたり、ママがスキルを活かして活動するためのサポートを行ったりして、ママたちがより主体的に輝ける人生を送れるようサポートしています。最近では、企業とコラボレーションして商品開発するほか、コンテンツ制作などにもよく携わりますね。今ではメンバーは5000人を超え、その中には独立・起業するママも。海外拠点も増えていて、年々活動の幅が広がっています。

── 「ママのコミュニティ」と聞くと、もう少しゆるい集まりをイメージしてしまいますが、Himemamaは一線を画していますね。 そうかもしれないですね。思えば、Himemamaは立ち上げ当初から、楽しいことをきっかけにママたちが集まることを意識していました。やっぱり、子育てに不安を抱え、思うようにいかない現実の中でママ同士が集まると、ついつい愚痴っぽい話題が混ざることだってあります。それも理解できるんですが、楽しみを共有することを前提に集まれば、誰もがポジティブになれるし、活動自体もポジティブになっていく。その結果として、企業からお声をかけていただけたり、海外の方から興味を持たれたりといった展開につながっているのだと思います。

── このような展開になることを、当初から意識されていたのですか? いえいえ、まったく(笑)。そもそものきっかけは私自身の出産なんですが、産後数ヶ月がものすごく大変で。子どもが寝てくれなかったり、自分の時間がまったく取れず、孤独な子育てを目の当たりにしたりして…。そんなときに自治体の母子教室に参加したんです。そこで出会った7組のママと子で、ちょっとした会話や情報交換ができることがものすごく嬉しくて。それから、もっと気軽に集まりたいという思いが募り、コミュニティを立ち上げたんです。立ち上げたと言っても始まりは、その7人のママでメーリングリストを作った程度のこと。とてもパーソナルな規模からのスタートでした。また、7人ともちょうど女の子の母親だったのと「ママになっても姫のような綺麗なママでいたい」という思いから〝姫のママ〟で「Himemama」という名前にしました。

── どんな経緯で現在のような活動内容へと変化していったのですか? 何回か集まるうちに、私を含めて産前はバリバリ働いていたママが多いことに気づきました。例えば、ヨガ講師の経験がある人、料理研究家、翻訳家、カラーセラピスト…。そんなママたちがどんどん現れては、それぞれの特技を生かしたイベントを開催していきました。私自身もアナウンサーだったことを活かして、メディアや人とのつなぎ役を担うなどママたちが活躍できる場づくりを支援していきました。そうやって動いていると、講演場所を貸してくれる企業が現れたり、取材の申し込みが来たりしながら活動の幅は広がり続け、メンバーもあれよあれよと増えていった感じですね。

ママであることをスキルに。

── Himemamaが携わった具体的なプロジェクトを教えてください。 例えば、永井酒造さんの「MIZUBASHO Artist Series」というお酒が、環境保護活動と女性のエンパワーメント支援をテーマに掲げていて、そのサイトのコンテンツづくりをお手伝いしています。Himemamaで活躍するママたちがインフルエンサーとして出演し、それぞれの得意分野と日本酒を掛け合わせた内容を、記事や写真、ときにはレシピなどにして公開しています。日本酒×音楽、アロマ、フレンチなどの分野で、多様なママが活躍しているんです。私自身はこの企画やキャスティングなどにも関わりながら、幅広くサポートをしています。

── ママの可能性をうまく活動につなげられていますね。 そもそも持っている知識や経験を活かすことはもちろんですが、私としては「ママであること」自体をスキルとして発信したいという思いが強くあります。子を育てることって、ものすごく大変。それでも育児と両立しながらマルチタスクで仕事を進めたり、細切れの時間を上手に使ったり、相手に対する気遣いや思いやりがあったり…。そうやって子育てをスマートにこなしながら働くママたちって、実はすごく“できる人”だと思っているんです。

── たしかに、優秀な社会人と共通する特徴のように感じますし、子育てによってママたち自身がスキルアップしたとも言えますね。 そうなんです。ところが、出産から育児のタイミングって、どうしてもそれまでのキャリアをスローダウンさせる必要がありますし、社会から距離を置くことで、一旦リセットされてしまうという感覚にもなります。自分を見つめ直す時間が来るものの、そこでやりたいことが見つかったとしても、どう行動していいかがわからない。結局、生活のため、育児のために、自分の適性に合うとも限らない仕事をしているというママも多くいらっしゃいます。それは社会的には、すごくもったいないことですよね。だから、そんなママたちを応援できるようなステージアップやスキルアップを後押しできる活動ができたらと常々思っています。

── 社会的な役割も大きいコミュニティになっているという実感はありますか? 結果として思うのは、私たちがやってきたのはロールモデルの発信だと思っています。おこがましいかもしれませんが、ママの新しいワークライフバランスを構築することに貢献しているという自負はあります。今でこそ複業や兼業、リモートワークなどで人生の選択肢は増えてきましたが、Himemama立ち上げ当時はイクメンという言葉も流行る前で、キャリアを築けるママなんて本当に一握りの存在でしたから。それが今ではママ世代向けのファッション誌を開けば、バリバリ活躍するママとしてHimemamaで活躍しているメンバーが毎号のように掲載されています。多様に活躍するママを発信することで、1人でも多くのママに「私にもできるかもしれない」と思ってもらえればいいなと考えています。

ママが地方創生の力になる。

── Himemamaの今後のビジョンや展望を教えてください。 地方創生に可能性を感じています。私たちの拠点も国内に数か所ありますし、ママは日本全国にいますからね。実際にいくつかの地方でワーケーションやコワーキングに使える施設の運用について、プロジェクトが進行しています。今、地方ではコミュニティスペースとしての「箱」はあるのですが、それをうまく運用できていないんです。そういった部分でも、Himemamaが関わることで活気のある場をつくれると感じています。

── 具体的にどのように関わっていくのですか? 例えば、地方自治体がワーケーション施設を運用するとします。その施設の空き時間にママがヘルプに入るだけでも力になりますよね。さらにはHimemamaとしてのつながりを活用すれば、都市部にある企業と連携することができるので、その地域の関係人口を増やし、地域活性化に貢献することなども可能です。もっと言えば、これは日本だけでなく世界のどこでもできることだと思っていて、本当に可能性は無限大だと思います。

── ママを通じて地方と都市がつながっていくという現象はなかなか興味深いです。 今は私自身もこのプロジェクトの一環で、東京の企業の方と会って地方とつなげていくような機会が増えています。そんなときに利用するのが、ここOCA TOKYOです。Himemamaはそもそも事務所がないこともありますが、素敵な空間なのでお連れした方にはすごく喜んでいただけますし、食事を兼ねたミーティングもできます。地方の方に来ていただく際もアクセス抜群なので、総じて利便性が高いですよね。これからもOCA TOKYOを存分に使わせていただきながら、地方創生をさらに加速させていければと思います。

どんな物事も、楽しみに変える。

── お仕事以外だとOCA TOKYOをどのように利用していますか? 先日MDKを貸し切って、日本酒のペアリングの会を開催させていただきました。先ほども永井酒造さんのお話を出させていただきましたが、個人的にお酒が大好きで(笑)。唎酒師(ききさけし)の資格も取っていますし、Book Barでもよく飲んでいるので、公私ともにOCA TOKYOにはお世話になっています。

── 坂上さんが今改めて感じるOCA TOKYOの魅力を教えてください。 以前、OCA TOKYOが主催するイベントに参加したときに感じたのですが、本当に素敵な方たちが多いコミュニティですよね。仕事だけでも趣味だけでもない、絶妙な空気感を味わえる場所だと思います。コミュニティを運営する身として勉強になりますし、とてもシンパシーを感じています。私自身もイベントを企画していて、現在進行中なのが、スパークリング日本酒をテーマにした「泡酒の会」というもの。awa酒協会の方にもお声がけしているところなので、会場としてOCA TOKYOを使うことができればすごく嬉しいです。

── OCA TOKYOという名前には「謳歌」と「応化」という2つの意味合いが込められているのですが、坂上さんにとって、人生を謳歌する・時代に応化するために大切にしていることを教えてください。 人生は一度きりなので、後悔は少ない方がいいし、同じ時を過ごすなら充実していてエンジョイした方がいいと思っています。私自身、出産育児で大変な思いもしたけれど、Himemamaを立ち上げたことで人生を楽しい方へシフトしていけました。変化が激しい時代ですが、楽しめることをひとつ見つけてしまえば、想像以上のスピードで楽しみを広げられる時代とも言えます。ポジティブな気持ちでいること、その気持ちを集めること、そして時代にうまく適応していくこと。まさに「謳歌」と「応化」は、Himemamaのママたちが最も得意とするテーマなのかもしれません。

坂上愛佳

Himemama 代表理事

フジテレビにてリポーターなどを経験したのち、結婚・出産を経てママ支援コミュニティHimemamaを設立。ママと子がともに学び、体験できる環境づくりを行う。拠点は地方や海外にも広がるなか、企業とのコラボレーションや地方創生など、幅広いテーマやプロジェクトを通じて多くのママの活躍を後押ししている。

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